太原雪斉
臨済寺
静岡県葵区大岩町
臨済寺は、今川義元の兄氏輝の菩提寺で、義元の
軍師太原雪斉長老が、師の大休禅師を迎え開山した
雪斉は、今川義元の執権職として、帷幕に縦横の
機智を振るった人である。義元が、駿、遠、三の太守
として東海に勇を振るったのも、雪斉の力によるところ
が大で、この時代がまた、今川家の最盛期でもあった。
徳川家康は、竹千代時代の天文18年(1549)8歳の
ときから、今川家の人質として12年間、この太原雪斉
から文武両道を学んだのである。後年、家康が天下
を治め徳川三百年の基礎をつくった基礎は、この幼年
時代に培われたといえる。雪斉は弘治元年(1555)
10月10日、60歳でこの世を去った。雪斉の没後5年
の永禄3年5月、桶狭間の合戦で義元が敗死すると、
今川家の勢力は急激に衰え、やがて滅亡する。今川家
は雪斉によって興り、雪斉を失って衰亡したといえる。
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