専福寺
岐阜市
専福寺文書
専福寺には、戦国期を中心とした文書が多数残
されている。その内、織田信長朱印状・豊臣秀吉
朱印状・池田輝政制札状と伝えられる三通が岐阜
市重要文化財に指定されている。織田信長の
朱印状は、元亀3年(1572)の石山合戦に際し、
信長から専福寺に出されたものとされている。元亀
元年9月、織田信長が石山本願寺を攻撃した際、
本願寺法主顕如は教書を各地の門末に下し、末
寺の蜂起を促した。美濃においても多くの寺院が
それに呼応している。同3年、専福寺の僧忍悟が、
石山合戦で戦死し、顕如より追悼の御書を給った
と伝えられる。本寺に伝えられる信長の朱印状は、
その際、専福寺及びその門末が石山本願寺へ
加担することを禁ずる内容になっている。本状の
信長発給については検討の余地があるものの、
石山合戦当時の緊急状態を伝える内容となっ
ている。その他、豊臣秀吉・池田輝政の発給とさ
れる文書も伝えられるが、いずれも本寺と、当時の
政治権力との関係を考える上で重要である。
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