御薗の榎



岐阜市



永禄10年(1567)9月織田信長は、稲葉山城を攻略
し、美濃一国支配を実現した。これにより信長は、
天下統一に向けての意志を明確にし、領国経営に
乗り出した。16世紀前半、すでに上加納村には楽市場
が存在したが、信長は、制札を与え商工業者の保護・
育成策を打ち出し(楽市楽座)、その権利を認めた。
この榎は、楽市場(上加納村御薗)に市神としてあった
ものである。ルイス=フロイスは、著書「日本史」の
なかで、岐阜の賑わいをバビロンのごとしと讃えたが、
この木は、その繁栄を代々、見すえてきたものである。
榎は、嘉永5年(1852)に枯木となり植えなおされ、明治
初年の道路改修工事に際して、橿森神社大門へ移植
された。これが現在の若宮町1丁目の榎である。













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