岩倉街道
岩倉街道と中小田井の街並み
小田井村は、社寺に伝わる創建の時代により、
9世紀にはすでにあったと推定される。
寛文7年(1667)名古屋城下から岩倉へ至る
「岩倉街道」が通じ、枇杷島の青物市の帰りに
味噌・油などの生活用品を購入したという。
このことにより、街道沿いに商家の立ち並ぶ
町が形成された。現在の建物はそのほとんどが
明治24年濃尾地震以降のものである。
商家が中心であったため、広い敷地を有しながら、
建物が街道に直接面しており、平入り中2階建で
連子格つきの家が多い。また、小田井の歴史には、
「宝暦の洪水」(宝暦7年・1757)を始め、
たびたび洪水に悩まされた。このため高い石積み基礎
の上に土蔵を築いたり、水屋を設け洪水の対策を
たてていた。地区周辺には由緒ある社寺も多く、
歴史と結び付いた固有の景観と古い地割を残す
ヒューマンスケールの町並みである。
名古屋市は、中小田井を町並み保存地区に指定し、
地域の伝統や個性を大切にした魅力ある町の
創造をめざすとともに、「歴史のみち整備」として、
街道筋の面影や特色を生かすような整備を進めている。
戻る