徳川家康フォトA
東照公遺訓碑
愛知県岡崎市
東照公遺訓
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。いそ
ぐべからず、不自由を常と思えば不足なし、こころに
望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵とおもえ、勝つ事
ばかり知りて、まくること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな、及ばざるは過ぎたるよ
りまされり。
慶長8年1月15日 家康
家康公遺言
愛知県岡崎市
家康公遺言
わが命旦夕(たんせき)に迫るといへども、将軍斯(か)
くおはしませば、天下のこと心安し、されども将軍の
政道その理にかなわず億兆の民、艱難(かんなん)
することあらんには、たれにても其の任に代らるべし、
天下は一人の天下に非(あら)ず天下は天下の天下
なり、たとへ他人天下の政務をとりたりとも四海安穏
(しかいあんのん)にして万人その仁恵を蒙らばもとよ
り、家康が本意にしていささかもうらみに思うことなし
元和2年(1616)
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